子育てママの転職で、産休取得実績は確認できます。ただし、求人票に必ず載っているとは限らないため、求人情報だけで判断せず、会社の公式情報や面接時の質問で確認することが大切です。確認するときは、「産休制度があるか」ではなく、直近の取得者数や復帰状況まで聞きましょう。
産休制度の有無と取得実績は別物
「産休制度あり」と書かれていても、実際にどのくらい利用されているかまでは分かりません。制度の存在と、職場で利用しやすい環境があることは別だからです。
| 確認する項目 | 分かること |
|---|---|
| 産休制度の有無 | 会社に制度が用意されているか |
| 産休取得者数 | 実際に取得した人がいるか、人数はどの程度か |
| 育休取得者数 | 出産後も休業を続けた人がいるか |
| 復職者数・復職率 | 休業後に職場へ戻った人がいるか |
| 子育て中の従業員の在籍状況 | 現在も子育てをしながら働く人がいるか |
なお、一般に「産休」は出産前の産前休業と、出産後の産後休業を指します。出産後に子どもが一定の年齢になるまで休む「育休」とは別の制度です。求人情報では両方をまとめて「産休・育休」と記載していることがあるため、実績の内容を分けて確認してください。
転職先の産休取得実績を確認する方法
確認しやすい順に、求人票、会社の公式情報、転職エージェント、面接での質問を組み合わせます。1つの情報だけで「働きやすい」と判断しないことがポイントです。
求人票で確認する
求人票では、次のような表記を探します。
- 産休・育休の取得実績
- 育児休業の取得人数
- 復職率
- 時短勤務の利用実績
- 子育て中の従業員が在籍
- 女性管理職や女性従業員の割合
ただし、「取得実績あり」とだけ書かれている場合は、いつ、誰が、何人取得したのかまでは分かりません。取得者が過去に1人だけなのか、毎年複数人いるのかによって、職場の状況は異なります。
会社の公式サイトや採用ページを見る
会社によっては、採用ページや会社案内で、育児休業取得率、復職率、平均勤続年数、子育て支援制度の利用状況などを公開しています。
確認するときは、数字だけでなく対象範囲と集計時点も見てください。たとえば、全社の数字なのか、特定の事業所だけなのか、正社員だけを対象にしているのかで、転職後の職場に当てはまるかが変わります。
転職エージェントに確認する
転職エージェントを利用している場合は、担当者に次の内容を具体的に質問できます。
- 応募する事業所や部署で、過去に産休・育休を取得した人がいるか
- 直近数年での取得者数
- 取得後の復職実績
- 子育て中の従業員が現在も在籍しているか
- 入社直後や試用期間中の休業に関する社内運用
「制度がありますか」だけではなく、「この求人の配属先での実績ですか」と確認しましょう。会社全体の実績があっても、配属先の職場では状況が異なる可能性があります。
面接で質問する
面接では、制度を利用したいという意向を隠す必要はありません。働き続けるために必要な確認として、事実を尋ねる形にすると伝わりやすくなります。
たとえば、次のように質問できます。
- 「こちらの部署では、最近、産休や育休を取得された方はいらっしゃいますか」
- 「産休・育休から復職された方は、現在も在籍されていますか」
- 「復職後は、どのような勤務時間や業務で働くケースが多いでしょうか」
- 「子育て中の社員が利用している勤務制度には、どのようなものがありますか」
- 「保育園の送迎などで勤務時間を調整する場合、実際にはどのように対応していますか」
取得者の人数を答えられない場合でも、「実績はあるが部署までは分からない」「個人情報のため人数は非公開」など、理由を説明してくれるかを確認しましょう。質問への答え方だけで職場の実態を断定はできませんが、具体的に説明してもらえるかは判断材料になります。
取得実績を確認するときに見るべきポイント
産休を取った人がいるかだけでなく、休業後に働き続けられているか、復職後の働き方が自分に合うかを確認します。
取得者数だけでなく復職状況を見る
産休や育休の取得者がいても、復職後に短期間で退職しているなら、仕事と子育てを両立しやすい職場とは限りません。次の項目を分けて確認しましょう。
- 産休を取得した人数
- 育休を取得した人数
- 復職した人数
- 復職後も一定期間働いているか
- 復職後の勤務時間や担当業務
「復職率100%」という数字があっても、集計対象や期間が分からなければ、転職先の部署にそのまま当てはめることはできません。
会社全体ではなく配属先を確認する
本社では取得実績が多くても、店舗、工場、営業所などの配属先では勤務体制が違う場合があります。特に、交代勤務、固定シフト、少人数の職場、顧客先常駐の仕事では、休業後の働き方を具体的に確認してください。
確認したいのは、次のような内容です。
- 配属予定の部署や店舗での取得実績
- 復職後に同じ職場へ戻れるか
- 勤務時間やシフトの変更が可能か
- 子どもの急な発熱時に休みや交代を相談できるか
- 業務量や担当顧客を調整した実例があるか
雇用形態による条件を確認する
正社員、契約社員、パートなどで、休業制度の適用条件や社内手続きが異なることがあります。求人票に「産休・育休あり」と書かれていても、自分の雇用形態や入社時期に適用されるかは、就業規則や会社への確認が必要です。
転職後すぐに妊娠・出産の可能性がある場合は、入社日、雇用契約の期間、休業開始時点の在籍条件などを確認しておきましょう。条件を満たすか不明なまま、ネット上の一般的な説明だけで判断しないことが大切です。
産休取得実績が見つからない場合の考え方
求人票や採用ページに実績の記載がないだけで、「取得できない会社」とは判断できません。会社が実績を公開していない可能性もあるため、まずは会社または転職エージェントに確認します。
一方で、質問しても制度や取得実績について説明がなく、入社後の働き方も明確にならない場合は、判断材料が不足しています。その場合は、産休取得を前提に応募を急がず、就業規則、雇用条件、配属先の勤務実態を確認してから決めると安心です。
「取得実績がない」と「取得できない」は同じ意味ではありません。新設企業や男性の多い職場などでは、これまで対象者がいなかっただけのケースもあります。実績の有無だけでなく、対象者が出た場合に会社がどのように対応する方針かを聞きましょう。
転職前に確認する項目
応募や内定承諾の前に、次の項目をメモして確認すると、会社ごとの違いを比較しやすくなります。
- 産前休業・産後休業の制度
- 育児休業の取得実績と対象範囲
- 産休・育休からの復職実績
- 配属予定部署での取得者の有無
- 復職後の勤務時間、シフト、業務内容
- 時短勤務や子どもの看護等休暇などの利用実績
- 急な休みや早退への対応方法
- 雇用形態や入社時期による適用条件
- 制度を確認できる就業規則や雇用条件通知書
特に重要なのは、口頭で聞いた内容と、内定後に示される労働条件が一致しているかです。勤務時間、休日、雇用期間、勤務地など、働き方に関わる条件は書面でも確認してください。
子育てママの転職では「実績」と「復職後」を確認する
子育てママが転職先の産休取得実績を確認することは可能です。ただし、求人票の「産休・育休あり」だけでは実態までは分からないため、取得者数、復職者数、配属先での運用、復職後の勤務条件を順番に確認しましょう。
最初に、求人票や公式の採用情報で実績の記載を確認し、次に転職エージェントや面接で配属先の具体的な状況を質問します。実績が見つからない場合も、取得不可と決めつけず、会社の運用と自分の雇用条件を確認してから判断してください。







