子育てママの転職で利用できる子育て支援制度は?

子育てママの転職で利用できる子育て支援制度は?

子育てママが転職するときに利用できる支援制度は、転職前の求職期間に使える制度、転職後に新しい勤務先で使える制度、自治体の保育・子育て支援に分けて考えると分かりやすくなります。

ただし、育児休業給付や保育園の利用条件は、雇用保険の加入状況、子どもの年齢、転職の時期、住んでいる自治体によって変わります。転職先が決まる前に、ハローワーク、勤務先、自治体へそれぞれ確認することが大切です。

転職する子育てママが利用できる主な支援制度

制度 利用できる主な場面 確認先
失業等給付(基本手当) 退職後に働く意思と能力があり、求職活動をするとき ハローワーク
受給期間の延長 出産・育児などですぐに働けないとき ハローワーク
育児休業・出生時育児休業 転職後の勤務先で、子どもの養育のために休業するとき 転職先の人事・労務担当者
育児休業給付 育児休業を取得し、一定の要件を満たすとき 勤務先またはハローワーク
子の看護等休暇 子どもの病気、けが、予防接種、入園・卒園式などで休むとき 転職先の勤務先
短時間勤務制度 子どもを育てながら所定労働時間を短くして働くとき 転職先の勤務先
保育所・認定こども園などの利用 就労や求職活動のために子どもを預けるとき 市区町村の保育担当窓口
一時保育・ファミリー・サポート・センター 面接、通院、短時間の就労などで一時的に預けたいとき 市区町村や実施施設

転職活動中に使える雇用保険の制度

退職後にすぐ働ける状態で求職活動をする場合は、雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付の対象になる可能性があります。受給できるかどうかは、離職理由、雇用保険の加入期間、働く意思や能力などによって決まります。

子どもの保育先が決まっておらず、すぐに働けない場合は、通常の失業給付をすぐ受け取れるとは限りません。ハローワークで、求職活動が可能な状態かどうかを確認してください。

出産や育児ですぐに働けない場合は受給期間を延長できることがある

退職後に出産や育児などの理由で、すぐに働けない期間がある場合は、失業給付を受けられる期間を延長できることがあります。これは給付額が増える制度ではなく、働ける状態になった後に受給手続きをできる期間を延ばす制度です。

「保育園が決まるまで働けない」「子どもが一定の年齢になるまで求職活動ができない」という場合でも、対象になるかは個別に判断されます。離職票を受け取ったら、住所地を管轄するハローワークに、受給期間延長の対象になるかと申請期限を確認しましょう。

転職後に利用できる育児休業と育児休業給付

転職後も、一定の条件を満たせば、子どもが原則1歳になるまで育児休業を取得できます。保育所に入れないなどの事情がある場合は、一定の条件のもとで1歳6か月または2歳まで延長できる場合があります。

ただし、転職前の勤務先で取得していた育児休業を、そのまま転職先へ引き継ぐことはできません。転職すると雇用契約が変わるため、転職先での育児休業の条件を改めて確認します。

育児休業給付は、育児休業を取得した雇用保険の被保険者に対する給付です。転職直後に必ず受給できるとは限らず、休業開始前の雇用保険加入期間などの要件があります。前職と転職先の加入期間を通算できるか、離職期間がある場合に要件を満たすかは、ハローワークまたは転職先を通じて確認してください。

育児休業や育児休業給付の制度内容は、厚生労働省の育児・介護休業法についてで確認できます。

子の看護等休暇は転職後も利用できる

子の看護等休暇は、子どもの病気やけがの看護だけでなく、予防接種や健康診断、入園式・卒園式などのためにも取得できる休暇です。2025年4月からは、対象となる子どもの年齢や取得理由が拡大されています。

取得できる日数や時間単位での取得の可否、労使協定による除外の有無などは、勤務先の規定によって確認が必要です。転職先を選ぶときは、制度が法律上あるかだけでなく、次の点も確認すると実際の使いやすさを判断しやすくなります。

  • 時間単位で取得できるか
  • 半日単位で取得できるか
  • 対象となる子どもの年齢
  • 子ども1人あたりの取得日数
  • 給与が支給されるか、無給か
  • 申請方法と申請期限

短時間勤務制度や残業免除も確認する

子どもを育てながら働く人は、短時間勤務制度、所定外労働の制限、時間外労働の制限などを利用できる場合があります。対象年齢や利用条件は制度ごとに異なるため、「時短勤務がある」という求人情報だけで判断しないことが重要です。

転職先には、次の条件を面接や内定後の労働条件通知書で確認しましょう。

  • 短時間勤務を利用できる子どもの年齢
  • 1日の勤務時間と始業・終業時刻
  • 短時間勤務を開始・終了できる時期
  • 在宅勤務やフレックスタイム制度の有無
  • 残業、休日出勤、夜勤、転勤の有無
  • 子どもの急な発熱時の休暇や勤務変更の扱い

法律上の制度とは別に、転職先が独自に「子どもが小学校卒業まで時短勤務可」「看護休暇を有給扱い」といった制度を設けていることもあります。独自制度は会社ごとに違うため、求人票だけでなく就業規則や採用担当者への確認が必要です。

保育園の利用や求職中の預け先も支援制度になる

転職活動中や転職直後の保育については、自治体の保育施設利用制度を確認します。認可保育所、認定こども園、地域型保育などは、自治体によって申込み方法、利用調整、保育の必要性の認定、求職活動中の利用期間が異なります。

求職活動を理由に保育施設へ申し込める自治体もありますが、利用期間や就労開始後の期限が決められている場合があります。「求職中でも利用できるか」だけでなく、次の内容を市区町村へ確認してください。

  • 求職活動を理由に申し込めるか
  • 求職中に認められる保育の期間
  • 就職後に提出する書類と提出期限
  • 転職先が決まった後の勤務時間の基準
  • 転園や継続利用が必要になるか

認可保育所などの制度は地域によって異なります。保育サービスの種類や制度の概要は、こども家庭庁の保育の案内も参考になりますが、申込み条件は必ず住んでいる市区町村の案内で確認してください。

一時保育やファミリー・サポート・センターも候補になる

保育園の入園前に面接へ行く場合や、短時間の仕事、通院などで一時的に子どもを預けたい場合は、一時保育やファミリー・サポート・センターを利用できることがあります。

ただし、実施日、対象年齢、利用料金、事前登録、送迎の可否、定員は自治体や施設ごとに異なります。転職活動を始める前に、登録に必要な書類と予約方法を確認しておくと、面接日が決まったときに利用しやすくなります。

転職前に確認する順番

制度を使えるか判断するときは、転職先だけでなく、退職前の勤務先と自治体も確認します。次の順番で整理すると、手続き漏れを防ぎやすくなります。

  1. 子どもの年齢、保育園の利用状況、就職希望日を整理する。
  2. 退職前の勤務先に、育児休業給付や雇用保険の加入期間を確認する。
  3. 退職後すぐに働けない場合は、ハローワークへ失業給付と受給期間延長を相談する。
  4. 住んでいる市区町村に、求職中・転職後の保育施設の申込み条件を確認する。
  5. 転職先に、短時間勤務、子の看護等休暇、残業免除、在宅勤務などの条件を確認する。
  6. 内定後に、勤務時間、休日、勤務地、保育園の送迎に間に合うかを照らし合わせる。

特に、退職してから確認すると申請期限を過ぎるおそれがある手続きがあります。離職票、雇用保険被保険者証、保育施設の利用に関する書類などは、受け取ったら保管しておきましょう。

転職先を選ぶときは制度の有無だけで判断しない

子育て支援制度があっても、利用できる条件や職場の運用によって働きやすさは変わります。求人票に「子育て支援あり」と書かれている場合は、利用対象、利用実績、申請方法、給与への影響を具体的に確認しましょう。

面接では、個人的な事情を必要以上に詳しく話すのではなく、「子どもの送迎のため、勤務時間は何時から何時までを希望しています」「子の看護等休暇は時間単位で利用できますか」のように、働く条件として確認できます。

なお、子育てを理由にした採用・配置・昇進などでの不利益な扱いや、妊娠・出産・育児休業などに関するハラスメントは法律上の問題になることがあります。困った場合は、勤務先の相談窓口や都道府県労働局の相談窓口を利用できます。

子育てママの転職で最初に確認すること

まずは、退職後すぐに働けるか、保育園を利用できるか、転職先で希望する働き方が認められるかを分けて確認しましょう。

雇用保険の給付はハローワーク、保育園や一時保育は市区町村、育児休業や短時間勤務は転職先が主な確認先です。制度名だけで判断せず、子どもの年齢、雇用保険の加入期間、転職の空白期間、自治体の申込み条件をそろえて確認することが、転職後の働き方を決めるポイントです。