子育て中の転職で育児休業を取得する条件とは?

子育て中の転職で育児休業を取得する条件とは?

転職直後でも、育児休業を取得できる場合があります。「転職したばかりだから一律に取得できない」という決まりはありません。ただし、子どもの年齢、雇用契約の終了予定、会社と労働組合などの労使協定、申出の時期によって判断が変わります。

なお、育児休業を取得できるかどうかと、育児休業給付を受け取れるかどうかは別の条件で判断されます。

転職後に育児休業を取得する基本条件

転職後の会社で育児休業を取得するには、原則として次の条件を満たす必要があります。

  • 雇用されている会社の従業員であること
  • 原則として、子どもが1歳になる前に取得を開始すること
  • 有期雇用の場合、子どもが1歳6か月になる日までに労働契約が終了することが明らかでないこと
  • 会社との労使協定による除外対象に該当しないこと
  • 会社が定める期限までに育児休業を申し出ること

育児休業は、正社員だけでなく、条件を満たす契約社員、パート、アルバイトなども対象になり得ます。雇用形態だけを理由に取得できないとは限りません。制度の基本的な内容は、厚生労働省「育児・介護休業法について」で確認できます。

転職直後でも育児休業を取得できるのか

転職直後でも、法律上の条件を満たせば取得できる可能性があります。育児休業について、法律上「転職後1年以上勤務していなければならない」という一律の条件はありません。

ただし、会社と労働組合などの間で労使協定を結んでいる場合、次のような従業員を育児休業の対象外にできることがあります。

  • 継続して雇用された期間が1年未満の従業員
  • 申出の日から8週間以内に雇用が終了することが明らかな従業員
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

そのため、転職直後の取得可否は、法律上の条件だけでなく、転職先に労使協定による除外規定があるかどうかでも変わります。就業規則だけでなく、育児休業規程や人事担当者に確認してください。

子どもの年齢による取得条件

通常の育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得できます。保育所に入れないなど一定の事情がある場合は、1歳6か月まで、さらに条件を満たすと2歳まで延長できる制度があります。

ただし、延長には別の要件があります。単に「転職したばかりだから延長できる」「保育所に申し込めば必ず延長できる」とは限りません。

確認項目 判断のポイント
子どもが1歳未満 通常の育児休業の対象になり得る
子どもが1歳以上1歳6か月未満 保育所に入れないなど、延長の条件を満たす必要がある
子どもが1歳6か月以上2歳未満 さらに延長の条件を満たす必要がある
転職前の会社で育児休業中 転職すると雇用主が変わるため、転職先で改めて取得条件を確認する

有期契約の社員が確認すべき条件

契約社員やパートなど、契約期間が決まっている場合は、雇用契約の終了予定を確認します。子どもが1歳6か月になる日までに労働契約が終了することが明らかな場合、原則として育児休業の対象外です。

一方、契約更新の可能性がある、または契約終了時期が決まっていないというだけで、直ちに対象外になるわけではありません。実際の契約書や更新条件を確認して判断します。

なお、「契約更新を何回しているか」や「転職先で何か月働いたか」だけで判断できるものではありません。雇用契約の期間、更新の有無、会社の労使協定を合わせて確認する必要があります。

育児休業の申出はいつまでに行うか

通常の育児休業は、原則として休業開始予定日の1か月前までに会社へ申し出ます。申出が遅れると、希望した日から取得できない場合があります。

  1. 子どもの出生日、または出産予定日を基準に、取得したい開始日を決める
  2. 転職先の就業規則や育児休業規程で申出期限と書式を確認する
  3. 会社が指定する方法で、育児休業申出書などを提出する
  4. 会社から通知された休業開始日、終了予定日、取得期間を確認する

出産予定日と実際の出生日が異なる場合や、産後パパ育休を利用する場合は、申出期限や制度の扱いが異なることがあります。希望する休業の種類を人事担当者に伝えて確認してください。

転職前に育児休業を申し出ていた場合の注意点

育児休業は、雇用主との雇用関係を前提とした制度です。転職によって雇用主が変わると、転職前の会社での育児休業をそのまま転職先へ引き継ぐことはできません。

転職先で育児休業を取りたい場合は、転職先の会社で改めて対象条件を確認し、必要な申出を行います。転職日、子どもの年齢、休業開始希望日によっては、申出期限に間に合わないことがあるため、内定後や入社前の段階で確認することが重要です。

育児休業給付は別に条件を確認する

育児休業を取得できても、育児休業給付を受給できるとは限りません。育児休業給付は雇用保険の制度で、雇用保険への加入状況、休業開始前の勤務実績、休業中の就業状況などをもとに判断されます。

転職した場合は、転職前の勤務期間を含めて受給資格を判断できるケースがありますが、雇用保険の加入期間や離職期間などによって扱いが変わります。育児休業の取得条件と一緒に、転職先の会社を通じてハローワークへ確認してください。

つまり、判断は次のように分けて考えます。

  • 育児休業の取得:子どもの年齢、雇用契約、労使協定、申出期限などを確認する
  • 育児休業給付:雇用保険の加入期間や勤務実績などを確認する

転職後の取得可否を確認する順番

転職して育児休業を取得したい場合は、次の順番で確認すると判断しやすくなります。

  1. 転職先で雇用保険に加入する働き方かを確認する
  2. 子どもが育児休業の開始希望日に何歳何か月かを確認する
  3. 有期契約の場合は、子どもが1歳6か月になる日までの契約状況を確認する
  4. 転職先に、勤続1年未満などを対象外とする労使協定があるかを確認する
  5. 育児休業の申出期限と提出書類を人事担当者へ確認する
  6. 育児休業給付の受給資格を、雇用保険の加入履歴と勤務実績に基づいて確認する

確認の際は、「転職直後でも育児休業を取得できるか」「労使協定による除外対象か」「希望日から取得するにはいつまでに何を提出するか」を具体的に尋ねると、必要な情報を整理できます。

子育て中の転職で育児休業を取得できるかの結論

子育て中の転職でも、育児休業を取得できる可能性はあります。転職後の勤続年数だけで決まるのではなく、子どもの年齢、契約終了の見込み、労使協定、申出期限を確認することが必要です。

まずは転職先の就業規則や育児休業規程を確認し、人事担当者に取得条件と申出期限を確認してください。育児休業給付を受けたい場合は、育児休業とは別に雇用保険の受給資格も確認しましょう。